デイサービス利用への不安と介護認定
在宅介護が始まると、多くの家族が最初に悩むことの一つがデイサービスの利用ではないでしょうか。我が家も同じでした。「本人は通ってくれるのだろうか」「スタッフの方や他の利用者さんとうまくやっていけるのだろうか」と、不安ばかりが頭をよぎっていました。
父の介護が必要になった時、まず行ったのは市役所での介護保険申請でした。その後、認定調査員が自宅を訪問し、父の状態や家族の介護状況について聞き取りを行いました。そして一次判定、二次判定を経て、父の介護度は要介護2と認定されました。
当時、私は介護の仕事をしていたため、「妥当な判定なのかな」と思った記憶があります。しかし今振り返ると、父には転倒のリスクがあり、持病による心停止の危険性も抱えていました。現在の認定基準であれば、要介護3や4程度になっていた可能性もあるのではないかと思います。
介護認定というのは本当に難しいもので、家族から見る状態と認定結果に差を感じることもあります。介護度が低ければ利用料金の負担は少なくなりますが、その一方で必要なサービス量が十分に受けられない場合もあります。
特に父のように歩ける方は、寝たきりの方とは違った大変さがありました。一般的には寝たきりの方のほうが介護が大変というイメージがあります。しかし実際には、歩き回る方は転倒の危険が常にあり、目を離すことができません。見守りが必要になるため、介護者の精神的な負担は非常に大きいものです。
また、要介護2から3くらいの時期は、排泄や入浴の介助がとても難しいと感じていました。なぜなら本人にはまだ「自分でできる」という気持ちが残っているからです。体は思うように動かなくなっていても、本人は以前と同じようにできると思っています。そのため介助を拒否したり、手伝われることを嫌がったりする場面も多くありました。
デイサービスを拒否する父
認定調査の日も、父は調査員に向かって「まだ学校には行かないから」と話していました。認知症の影響もあり、自分の置かれている状況を十分に理解できていなかったのです。
しかし現実には、一人で歩けば転倒する危険があり、母一人では支えたり起こしたりすることも難しくなっていました。私たち家族が「危ないからデイサービスに行こう」と説明しても、父はなかなか納得してくれませんでした。
初めてデイサービスを利用した頃は、本当に大変でした。送迎車が迎えに来ても玄関から出ようとせず、時にはスタッフの方を追い返してしまうこともありました。スタッフの皆さんにはたくさんご迷惑をおかけしたと思います。
父は近所の同年代の方にまで「あなたが行きなさい」と言っていたほどでした。そのため、月に利用できる回数は片手で数えられる程度しかありませんでした。
母と家族の介護の日々
そんな中でも母は本当に頑張っていました。当時の母は高齢ではありましたが、とても気力が強く、父の介護に全力を尽くしていました。私たち兄弟も協力しながら、家族みんなで父を支えていたことを覚えています。
地元のデイサービスが合わなかった理由
ところが、通い始めた施設で新たな問題が出てきました。地元の施設だったため、昔から父を知っている方が多く利用していたのです。
父は若い頃、身長も高く体格も良く、周囲から一目置かれる存在だったそうです。しかし年齢を重ねるにつれ体力も衰え、以前のような姿ではなくなっていました。
施設では昔を知る人たちから「昔は立派だったね」「昔は貫禄があったね」といった話をされることがありました。悪気のない言葉だったと思いますが、父にとってはつらかったようです。
帰宅後に話を聞くと、「昔と比べられるのが嫌だ」とこぼしていたそうです。
その気持ちは私にも少し理解できます。私たちも年齢を重ねれば容姿は変わりますし、若い頃のような体力もなくなります。だからこそ、昔の自分と今の自分を比較されることは、想像以上に心に負担を与えるのかもしれません。
父に合うデイサービスとの出会い
そこで当時のケアマネジャーさんに相談したところ、「お父さんを昔から知っている人がいない場所のほうが合うかもしれませんね」と提案してくださいました。
そして紹介していただいたのが、少人数制のデイサービスでした。
そこではスタッフの皆さんが父の性格や状態に合わせて丁寧に関わってくださいました。無理に何かをさせるのではなく、父のペースを大切にしながら支援してくれたのです。
その結果、父は少しずつ通えるようになりました。
今だから思うこと
今振り返っても、あの時のスタッフの皆さんには感謝しかありません。父が最後まで安心して通えたのは、間違いなく皆さんのおかげです。
また、父に合った施設を一緒に探してくださったケアマネジャーさんにも感謝しています。
介護認定を受けてから約半年間は病院系列のデイケアに通いましたが、なかなか定着できませんでした。しかし二か所目のデイサービスでは安心して利用することができました。
この経験から私が伝えたいのは、「最初の施設が合わなくても諦めないでほしい」ということです。デイケアやデイサービスにはそれぞれ特徴があり、本人との相性があります。
本人に合った場所が見つかれば、家族の負担も軽くなり、本人も安心して過ごせるようになります。そのためには家族の話をしっかり聞き、一緒に考えてくれるケアマネジャーの存在もとても大切です。
デイサービス選びに悩んでいるご家族の方には、「合わなければ別の選択肢を探してもいい」と伝えたいと思います。本人に合った居場所はきっとあります。そして、その場所が見つかった時、介護は少しだけ楽になるのだと私は感じています。



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