あの夜は、介護生活のスタート時点だったのかもしれません

今だから笑える話

下の子が高校を卒業したばかりの頃、
わが家で起きた出来事です。

今思い出すと、少しおかしくて笑ってしまうのですが、
当時は本当に必死でした。

その日、父と母は大喧嘩をしました。
父は杖を使って歩く状態だったのに、
夜11時ごろ、何を思ったのか家から飛び出してしまったのです。

しばらくして、母から電話がかかってきました。
「もう2時間近く帰ってきてない」

その瞬間、頭に浮かんだのは
心臓が止まっていないだろうかという不安でいっぱいでした。

杖をついて歩く父が、
夜中に2時間も外に出たまま帰ってこない。
事故に遭っていないか、
どこかで倒れていないか。
最悪のことばかりが頭をよぎっていました。

その時ちょうど家には息子が2人いて、
下の子の部屋には、なぜか友達が5〜6人遊びに来ていました。

息子二人に、おばあちゃんから電話があって、
「おじいちゃんが出て行ったまま帰ってこない」と話しました。

考えるより先に、みんな動いていました。
そこから一気に大捜索です。

実家の近くは、
車が入れない細い路地が多い地域

そのため、
上の子はバイクで。
下の子は、歩けるところは歩き、
車が入れる道は車で探してくれました。

下の子の友達まで一緒になって、
夜の路地を手分けして探し回ることになりました。

そして――
発見したのは、夜中の3時。

見つかった場所は、
まさかの次女の家の駐車場

しかも、
停まっている車と車の間に、横たわっていたのです。

見つかった瞬間は、
無事だったことにホッとして、
正直それだけで精一杯でした。

でも今、振り返ってみると、
杖をついて夜中に家出して、
自分の娘の自宅の駐車場の車と車の間で見つかる父と、
それを若者たち総出で探していたあの光景。

少しおかしくて、
思い出すと、つい笑ってしまいます。

あの時は、
この先に、こんなにしんどい毎日が待っているなんて想像もしていませんでした。

でも今思えば、
あの夜が、
わが家の介護生活のスタート時点だったのかもしれません。

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